地理の不思議

地理の不思議

1878年セントローレンス島大飢饉 ― 文明がもたらした悲劇の全貌

序論:想像を絶する恐怖の発見1880年6月25日、米国税関監視船トーマス・コーウィン号がセントローレンス島の沖合に投錨したとき、その乗組員たちはこれから目撃する惨状を予測していなかったでしょう。カルビン・L・フーパー船長が率いるこの船の任務...
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火山活動で生まれた幻の島『フェルディナンデア』列強の領土争いを生んだ島は…自然が解決した?

序論:炎から生まれ、国々が欲しがった島1831年6月下旬、シチリア島沖の地中海で不思議な現象が起こっていました。シチリア島の港町シャッカを揺るがすたくさんの地震、沸騰する海水、空気中に広がる硫黄の嫌な臭い、そして水面に浮かぶたくさんの魚の死...
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『復活』を意味する皮肉な名前の島「ヴォズロジデニヤ島」二重の大災害に襲われた島の秘密

序論:死の海と、最悪の島その島の名はロシア語で「復活」という意味の「ヴォズロジデニヤ」という、皮肉な名前がつけられています。しかし、その現実は人類史上最も恐ろしい生物兵器が研究され、地球上で最悪レベルの人為的な環境破壊が起こった場所でした。...
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忘れられた30m超えの津波災害。1993年奥尻島地震と大津波。大災害がなぜ記憶されていないのか?

1993年7月12日、月曜日の午後10時17分。 北海道の離島、奥尻島の静かな夏の夜は、突如として暴力的な揺れによって引き裂かれました。 それは、小舟が横波を受けるかのような、異様に長く続く揺れだったと生存者は語ります。 しかし、その地震動...
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街の住人3万人が全滅!「カリブ海の小パリ」を襲った火山大噴火と、牢屋の囚人が生き残った奇跡の謎

1902年5月7日の朝、カリブ海に浮かぶフランス領マルティニーク島のサン・ピエール市は、活気に満ち溢れていました。 砂糖とラム酒の交易で栄え「カリブ海の小パリ」と謳われたこの街は、文化と経済の中心地として繁栄を極めていたのです。街の背後には...
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ウイスキーとシュナップスで戦った「世界で最も紳士的な戦争」。カナダとデンマークの奇妙な領土紛争の謎

もし、国家間の領土を巡る戦争が銃弾の代わりに、互いの国の「誇り」である酒を酌み交わすことで行われたとしたら信じられるでしょうか?これはおとぎ話ではありません。 カナダとデンマークという二つの平和なNATO同盟国が北極に浮かぶたった一つの小さ...
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7年間だけ存在した幻の国。スパイ、サッカー、ブルージーンズが交錯した冷戦の奇妙な最前線「トリエステ自由地域」の謎

アドリア海の最奥部に佇む、美しい港町トリエステ。 ラテン、スラブ、ゲルマンという三つの文化世界が交差し、かつてはオーストリア=ハンガリー帝国の栄光を体現したこの都市は、ある作家に「どこでもない場所(nowhere land)」と評されました...
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呪いか、祝福か?双子を殺す文化と崇める文化が共存する国、ナイジェリアの謎

19世紀、ナイジェリア南東部の森の奥深く。 素焼きの壺に入れられた、生まれたばかりの赤ん坊が、静かに遺棄されていました。この悲惨な赤ん坊の「罪」は、ただ一つ。双子として生まれてきたことでした。 その存在は、共同体に災厄をもたらす「不吉な凶兆...
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九州の森にクマがいない謎。消えた「山の王」と、46年ぶりに現れた“最後のクマ”の驚くべき正体

本州の山々では、クマの目撃情報が相次ぎ、その生息域は拡大しているとさえ言われています。 人里への出現も増えており、毎日のように熊の被害がニュースを報じられています。しかし、日本の主要な四島の中で、一つだけ、その「山の王」の気配が完全に消え去...
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なぜ「再生の森」は「自殺の名所」になったのか?青木ヶ原樹海にかけられた物語の呪い

なぜ青木ヶ原樹海は「自殺の名所」と呼ばれるようになったのか?その始まりは古い伝説ではなく、1960年発表の松本清張の小説『波の塔』でした。一冊の物語がいかにして現実を侵食したか、その悲しい真相を解説します。