2025-08

脳と精神を結びつけた革新的理論「骨相学」。それはやがて「自己啓発」の一大ブームとなりますが、奴隷制度を正当化する「科学的人種差別」という最悪の闇も生みました。19世紀を熱狂させた疑似科学の、劇的な栄枯盛衰の物語。

18世紀パリを熱狂させた医師メスマーの「動物磁気」。その正体はB・フランクリンらによって暴かれたが、この壮大な「失敗」から皮肉にもプラセボ効果、催眠術、そして「無意識」という近代心理学の扉が開かれた。驚きの科学史を解説。

結婚と私有財産を捨て、神にのみ仕えた宗教共同体「シェーカー教徒」。俗世から離れようとした彼らが、なぜモダンデザインの源流となる最も美しい家具を生み出せたのか？祈りから生まれた究極の美と、そのユートピアが消えゆく運命にあった謎に迫る。

プレスター・ジョンは存在しなかった。しかし、この「幻の王」の伝説は教皇を動かし、マルコ・ポーロに語られ、大航海時代の引き金となった。集団的な希望が生み出した「嘘」が、いかにして現実の世界地図を書き換えたか、その驚異の物語。

プロイセン宰相ビスマルクは、ごく普通の外交電報を「編集」。言葉を巧みに削除しただけで、143文字の文章は両国にとっての侮辱となり、普仏戦争の引き金となった。ドイツ帝国誕生の裏にあった、歴史上最も巧妙な情報戦の謎を解説。

19世紀カナダ、毛皮貿易を巡る二大企業の戦争。その鍵は先住民の保存食「ペミカン」だった。この干し肉を巡る争いはやがて血の抗争に発展し、図らずも「メティ」という新たな民族を歴史に誕生させる。食料が国を創った驚きの物語。

1967年、スウェーデンは国民の83%が反対したにもかかわらず、一夜で左側通行から右側通行へ移行。なぜ政府は民意を覆し、予測された大混乱は起きなかったのか？緻密な計画と心理学を駆使したPRが生んだ「Hの日」の奇跡を解説。

世界平和を願い、ユダヤ人医師が創った人工言語エスペラント。しかし国境を越えるその理想は、ヒトラーとスターリンに「危険思想」と見なされ、話者は虐殺の対象に。なぜ平和の言語は憎まれたのか？弾圧を越え現代に生きる「希望」の物語。

1962年のゴミ焼却が、60年以上燃え続ける地下火災の始まりだった。ペンシルベニア州セントラリアはなぜゴーストタウンになったのか？政府の無策、故郷を追われた人々、そして人気ゲーム『サイレントヒル』のモデル説まで、炎に呑まれた町の悲劇の全貌を解説。

19世紀、米陸軍は西部開拓のため「ラクダ部隊」を創設。その能力は馬を凌駕したが、兵士との文化的な溝と南北戦争で計画は頓挫。野生化したラクダが生んだ砂漠の怪物「赤い亡霊」伝説まで、忘れられた奇妙な歴史を解説。